お受験のスタート時点、特に年中までに右左は感覚的につかんでおきたい。我が子はこれが大の苦手だった。正面を向き合ったときの右左、側方からの右左は直感的にわかるようにしておきたい。
我が子のように左右の感覚が希薄な子供は、例えばお箸を持つ方が右などと教えることから始めるのだが、ペーパーの問題を解くにあたってはそれでは時間が足りない。パッと右左がわからないと時間切れになってしまい正答できない。
ではどうするか。もちろんはじめは覚えやすいようにお箸を持つ方が右などと教える。そして生活の中で右左の指示を意図的に出すようにする。例えば右側のタオル取ってみたいな感じだ。なかなか感覚をつかめない子供には、左右ではなく「右」をとにかく意識させる。左右あるものは徹底的に右からやるようにする。
ある程度2秒くらい考えれば自分の右左がわかるようになれば、次は側方からの右左だ。これは実感としては訓練しかない。我が家ではIKEAで購入した大きなクマのぬいぐるみがここで活躍。毎朝晩熊さんチャレンジと称して熊の手をあげそれが左右どちらかをパッと言わせるゲームをしていた。5回連続であたったらご褒美(例えばシールとか)がもらえる。これを繰り返し毎日やる。
クマのぬいぐるみの左右の特徴をつかみ始めたりするので、その時は違うぬいぐるみで。我が家はだんだんと小さくしていった。まぁぬいぐるみでなくても私が向きを変えながら手を挙げれば済む話なのだが、正しいかどうかはわからないが第三者的な物体をイメージできた方が、ペーパーに落とし込みやすいのではないかと思う。ペーパーに熊がでてくるイメージだ。
お受験の問題で「地図上の移動」というものがある、平面に地図が書いてあり、”太郎君は最初の角を右、その次の角を左、その次の交差点はまっすぐ進み、その次の交差点を右に曲がって家に帰りました。太郎君の通った道を線でなぞり太郎君の家に丸を付けましょう。”というような問題だ。覚えるのも大変なのだが、覚えたとおりに地図を進む際にさらに右左を”考える”ともう道順なんて忘れてしまう。正面、側面から左右が直感的にわかることが必要になる。
また「四方からの観察」や「私は誰でしょう」にもこの右・左は必ず付いて回る。新年長がスタートしたところだと思うが、まだ怪しいと思われる場合は今すぐ取り組むことをお勧めする。これは「理解」ではなく「感覚の刷り込み」なので時間がかかる。逆に言うと繰り返しの訓練で克服できるはずだ。
あとは怒らず根気よく。この手のことは脳の発達の問題。できなくてもそれに理由はない。できたら脳の発達が追い付いてきただけのこと。「なんでできないの!」は禁句。そんな高度な理由がわかっていたら左右なんてわかる。お受験では親にとって忍耐力が試される。時間のかかるこは時間をかける。試験当日まで脳は発達し続ける。試験当日に間に合うかどうかは成長のスピードにかかっている。アンコトローラブルなのだから四の五の言ってもしようがない。