幼児教室。子供が勉強を教わりに行く場とおもっている方も多いと思うが、半分正解で半分不正解。答えは半分は子供の学力UPのためであることは間違いないが、もう半分は親の家庭学習指導力UPのためだ。
教室によって授業の立ち合いがマストだったり、送り迎えのみで授業中親が入れないところ、授業の最後親にだけ講評といって授業の内容や教え方などをフィードバックしてもらうなどスタイルは教室様々。とくにお受験が初めての家庭は親が立ち会える教室をお勧めする。少なくともペーパーでは。
例えばシーソー。シーソーが3台あって、この中で一番重い動物に〇、一番軽い動物に△をつけましょうという問題。さて子供にどう教えるのかというと、重いだけの動物(3台のシーソーに乗っている動物でどこにいても下にいる動物)が一番重い。逆が一番軽い。ちなみに一番重い動物と一番軽い動物のシーソーを除外し、残ったシーソーで同様のことをやると2番目に重い動物と2番目に軽い動物が判明する。
このようにお受験特有のテクニックともいえる類のものゴロゴロある。これを手に入れるには立ち会うのが一番手っ取り早い。特に勉強をメインで教える方の親が立ち会ったほうがよい。線の引き方、アンテナ(数を数えるときのテクニック)の立て方ら、図形や計数では「大きいものから」考えるなどなど。このような解法のテクニックの良し悪しはおいておいて、知っていたほうが圧倒的に効率がいい。そして子供にも解けるという自信がつく。
この手のもので選別されることに違和感はなくもないが、割り切れない家庭はたぶんお受験がとても辛いものになる。正直幼児教室で行われていることは「教育」ではない。よく言ってトレーニングだ。4歳から5歳の幼児にこのトレーニングを施すことに疑問の余地が無い訳がない。
といいながらこのトレーニングをやってよかったとも思っている。実は我が子は発達障害の疑いがあり、区役所で受けたテストでもグレーと判定されていた。数の概念も同月齢の子たちより圧倒的に弱かった。支援教室の資料も取り寄せたりもした。そんな状態でスタートしたペーパー。当たり前だが最初は大苦戦。戦意喪失。でもそこから家庭教師の先生の助けを借り、いつしか幼児教室の授業にもなんとかついていけるようになり、2回目の判定テストでは問題なしとなった。発達障害が治ったという話ではないしそもそも発達障害ではなかったということかもしれないが、ペーパーというトレーニングにより現時点のスナップショットでのIQは同月齢の平均よりも多分高い。(我が子が特別にということではなく、お受験をやっている子供たちのIQが他の子よりもその時点では高いというのは通説だ)
子供なりに脳をフル回転させ、認知能力の限界にぶつかり続けている。医学のことはわからないけれど、自分なりの理解の仕方をみにつけ、できたという自信積み上げ自己効力感を高めることは価値あることなんだと思う。逆説的に言えば自信を失わせるだけなのであれば、少なくともその教室を変えたほうがよい。我が家はその判断が少し遅くギリギリだった。年長の5月に勉強量と難易度を一度ぐっとさげ、教室を替え、ゼロからやりなおした。いまでもこの判断がもう少し遅かったら取り返しのつかないことになっていたと思う。